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あなたはなぜ名医に出会えないのか? - 手術数が多い病院ほど患者の死亡率が低い PDF 印刷 Eメール
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あなたはなぜ名医に出会えないのか?
手術数が多い病院ほど患者の死亡率が低い
「心臓病手術」で実績のある病院を探す
「神の手」を持つ全国の名医たち
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 では、具体的、「名医」をどうやって探したらいいのか? 
 例を示して解説する。
 外科手術の腕の確かな医者は、じつは、厚生労働省のデータを活用すれば、ある程度の確率で見つけられる。これまでの病院選びの「常識」を変えるこのデータは、厚生労働省が保管しているが、情報開示が進んだ現在、開示請求をしたマスコミなどに公表されている。

 たとえば、『週刊朝日』は(2008.11.7号および11.14号)で、このデータをすべて公開した。これは、厚生労働省が指定する難度の高い手術(がん、心臓病、脳疾患など)の症例数を、各医療機関が各地の社会保険事務局(地方厚生局)に届け出たものの集計である。これを『週刊朝日』は、どのメディアよりも早く入手して、最新の2001年における1年間(1~12月)のデータを掲載したのだ。
 これを見れば、全国4606病院(医療機関)の手術数が、一目瞭然である。また、こうしたメディア報道を受けて、各病院も、自らのウェブサイトで公開しているので、それを確かめるのも手である。

 厚労省が2008年に公表した医療施設動態調査によると、全国の医療機関数は約10万8000(病院8801、一般診療所9万9578)。そのうち事務局に届け出(10月から各地方厚生局へ移管)があったのは4606医療機関だった。
 したがって、全国の病院の約半数が、このデータでわかるわけだ。

 また、時を同じくして『プレジデント』誌(2008.12.15日号)は、同じデータを手術の症例別に分け、さらに上位15病院にアンケート調査を行った結果を掲載した。これは、たとえば、心臓病、脳疾患、肺がん、食道がん、肝臓がんなどの手術別の手術数ランキングだから、ランキングの高い病院ほど、その分野の外科の名医がいるといっていい。

 また、ネットでは、読売新聞の『YOMIURI ONLINE』の「医療」記事は充実しており、「最新治療」や「病院の実力」(読売ウィクリーの臨時増刊にもなっている)は、同じようなデータと取材で情報を提供している。さらに、ネットでは最大規模といっていい病院ランキングを載せ手いるのが『オリコン 病院ランキング』で、このランキングは満足度で決まり、口コミ情報も豊富だ。また、朝日新聞のWebサイトにも「いい病院ランキング」があり、これも活用できる。

   
 つまり、こうしたデータを見ていけば、それぞれの分野で難手術が実施可能な「トップ病院」がどこかは、容易に知ることができる。

 では、手術数はどう読み解けばいいのか? 日本胸部外科学会は2006年、手術数が多い病院ほど患者の死亡率が低いという調査結果を公表している。このように、医学界においても手術件数は重要な指標だとする見解があるわけで、数が多ければ多いほどいいと考えて間違いない。

 また、手術項目だが、これは素人が読み解くのは、なかなか難しい。たとえば「頭蓋内手術」には、広義の脳腫瘍手術や、脳動脈瘤クリッピングなどの脳動脈瘤手術が含まれる。しかし、厚労省データは、そこまで項目分けしていないので、おおまかに「脳の手術」ととらえ、メディアが独自調査をしたものとつき合わせるなどしたらいい。

 なお、各医療機関は治療態勢が整っている手術項目について、その年の手術件数が「0」の場合でも届け出る必要がある。しかし、都道府県によっては解釈の違いなどで、治療態勢が整っていなくても「0」が入っている場合がある。今後、こうした点も含め、全国的な統一基準が作られるのを待ちたいが、いまのところ期待薄である。
 
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