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[これが医者の世界]学閥、給料、待遇から見たセンセイたち
[これが医者の世界]学閥、給料、待遇から見たセンセイたち - 出身校とキャリアで決まる序列 PDF 印刷 Eメール
記事索引
[これが医者の世界]学閥、給料、待遇から見たセンセイたち
最近の医者のぼやきエピソード
病院経営は「負のスパイラル」状態
「謝礼」を強要されたうえ手術ミス
患者より賄賂によって薬選び
粗製乱造で医者の質がどんどん低下
試験合格のためのネットワーク
血を見ると失神してしまう学生
出身校とキャリアで決まる序列
  電子化によっても不正はなくならない
全てのページ
 医者の世界というのは、序列のはっきりした世界である。病院というと、ひとつひとつがまったく独立して存在しているように見えるが、日本の会社に系列があるように、病院にも系列があり、序列が存在するのである。

 だから、患者側としては、こうした序列を知っておくことは大事だ。私は一流医学部出の医者、一流大学病院がいいと言っているわけではない。しかし、ヒエラルキーを知るのと知らないので、医者選びにも大きな差がつく。

 このヒエラルキーの頂点に立つのは、やはり大学病院である。大学病院の下には、都道府県率病院や公立の医療センターがあり、その下には市民病院、ずっと下がって個人の開業医院という上下のランクがある。

 そもそも大学病院の設立目的は、診療・研究・教育(医学部学生)の3点に集約される。大学病院が日本の病院の頂点に立つのは、基礎研究および医学生の教育を行なっているからだ。
 
 現在、約26万人に及ぶすべての医師の98%は、日本にある79の大学医学部のうちのどれかの出身者である。
 つまり、日赤医療センターであろうと虎ノ門病院であろうと、あるいは地方の市民病院や全国津々浦々の診療所にいたるまで、そこで働く医者のほとんどすべては、日本のどこかの大学医学部の出身者なのである。当然のことながら、それぞれが出身大学、あるいはよその大学医学部の付属病院で、医学生時代に教育を受けている。

 多くの医者にとって大学病院に残り、教授になることが最大の名誉とされるが、その一方では、教授選に負け、あるいは自ら志願して、県立病院や医療センターへと出向く者もいる。さらに親の医院を継ぐ医者もまた多い。

 大学病院はさらに、旧学閥系、独立系、新設系に分けられるが、患者の圧倒的支持があるのは、やはり伝統を誇る旧学閥系の大学病院だろう。

 日本は肩書きとブランド社会であるから、患者は個々の医者の実力よりも、かえってそちらを信用する。このことを批判する向きもあるが、私は、患者側のこうした判定基準が、外科医などをのぞいては、大筋では間違っていないと思う。つまり、医者の当たりはずれである。

 しかし、これをあまり強調すると、学歴差別、人間差別になるから、誰も大声では言わないだけである。東大卒の医者と地方の新設医大卒の医者が同じ地域で開業したら、あなたはまずどちらに足を運ぶであろうか?

 アメリカの病院では、医者はすべての情報をオープンにしている。患者の目のつくところに、卒業大学名、専門、外科医なら手術の実績などが明示されている。たとえば、名門ジョンズ・ホプキンス大のメディカル・スクール卒と、ハッキリと書かれている。

 しかし、日本の病院ではそんなことはどこにも書いていない。患者は、診察を受けるまで医者の学歴も実績もなにも知らないことが多い。これが患者からお金を取るビジネスと言えるのだろうか。


 
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